"Really"がうまく言えない

セルフラーニング英会話

実際の生活上で使えるフレーズや発音、個人練習の方法やコツなどを紹介

"I have a blast at work." って言えるようでありたいですね。

f:id:yuichironagai:20170212004707j:plain

さて、今回はまず"blast"の使い方を見ていきましょう。

"I have a blast at work."
「仕事が本当に楽しいよ(充実してるよ)」

blast 自体は「爆発、突風」などの意味がありますが、それをよく "have a blast" という形にして「とても楽しい時間を過ごす」というイディオムとして使います。"I had a blast at the event last night." みたいな言い方もできるわけですね。日本人はよく "enjoy" という言葉を使いますが、もちろんそれでもいいわけですが、いつもenjoyばかりだとつまらなくなるので、こういったレパートリーも欲しいですよね。

 

もうひとつこんな文章はどうでしょうか。

"Everything that has happened today was my fault." 
「今日起こったすべてのことは僕に責任がある」

もちろん、こんなセリフを言わなくてはいけないような状況にはなりたくないわけですが、この "Everything that has happened" という主部の作り方は汎用性があるので覚えておきたいわけですが、例えば、

Everything (that) I just told you was a lie. 
「私があなたに言ったことはすべて嘘でした」
Everything that was written in the email is true. 
「メールに書かれていたことはすべて本当です」
Everything that was served at the party was cooked by the chef she used to go out with. 
「パーティーで出された料理はすべて彼女が昔付き合ってたシェフが作ったものだった」

とかこんなふうに使えたりもするわけですね。ぜひ自分でもいろいろ文章をつくってみくてください。

"How are you holding up?" の意味がわかりますか?

f:id:yuichironagai:20170208154434j:plain

今回のタイトルにもなっているフレーズは英語の教科書には出てこないフレーズですし、英会話講師もそう頻繁に言わない(たぶん生徒に対してはあまり言わない)と思いますが、友達同士の会話などではよく耳にするフレーズです。

"How are you holding up?" 
「最近どう?元気?」

日本人は大抵、hold up が何を意味するのかわからないので「?」となってしまいますが、これは単に "How are you?" と言っているのとほぼ同じです。だったらわざわざ紛らわしい言い方するなよと思いますよね(笑)

ただ、人と会った際によく言うフレーズとして他にも紹介しておくと、すぐ思いつくだけでもこんなのがあります。

1) "How are you doing?"  → 応答例:"Good. Yourself?" ※カジュアルな受け答えです
2) "How's it going?" → 応答例:"Pretty good. How about you?"
3) "How's everything?" → 応答例:"Everything's good. Thanks for asking. How are you holding up?"
4) "How are things?" → 応答例:"Great! How's it going?"
5) "What's up?" → 応答例:"Not much. What about you?" 

結構多いですよね(笑)

基本的には同じことを聞かれているので、答え方も似ています。別にどれをどこに入れ替えても良いのですが、(5) の "What's up?" だけはちょっと違う受け答えがありまして、「何が up なんだい?」と聞かれています。

つまり、「最近何かおもしろいことあった?」という意味なので、ここで "Good" とか答えるのはちょっと微妙です。なので、"Not much."(特に変わりはないよ/いつもどおりだよ)というこのパターン特有の答え方があります。これは結構使うので覚えておきましょう。

聞かれたら、こちらも聞いてあげる。それがワンセット

これはもう、挨拶のお決まりなパターンなわけですが、相手が "How are you holding up?" などとこちらのことを聞いてくれて、要するにそれはこちらを気にかけてくれているという表現です。なので、単に聞かれっぱなしにするのではなく、こちらからも「あなたはどう?」と聞いてあげることが礼儀ですし、コミュニケーションの基本です。

ちょっと日本人と感覚的に違うところとしては、日本だと「こんにちはー」で済みそうなところを、もう少し聞いてあげるような感じでしょうか。

たとえば、海外からの同僚などは職場においても週明け月曜はよく "So, how was your weekend?" とか聞いてきます。デスクとかパブリックな場でもです(笑)特に深い意味はなくて、単に「週末楽しかった?」くらいのものなんですが、こう聞かれると日本人の感覚だと「え?週末何したか今ここで話すの!?他の人たちも周りにいるけど??」みたいな感覚があると思うんですが、別に詳細を教えてくれというわけではなく、わりとライトに「家族と過ごして楽しかったよ」とか言っておけば大丈夫です。で、その後向こうがどうだったかも聞いてあげる。そのやりとりが彼らにとってのスタンダードな挨拶だったりします。

日本人は、週末何したのかとかそういう話は、ランチの時などに親しい同僚や友達とするような話題であって、月曜の朝からデスクで「おはようございます」と挨拶した上司からいきなり "How was your weekend?"と聞かれるとドキッとしますが(笑)、上述のようにたいした意味はなくて、そういう挨拶なんですよ、ということですね。

 

映画「セント・オブ・ウーマン」から、アル・パチーノの珠玉のスピーチ

f:id:yuichironagai:20170204215018p:plain
出典: Yahoo!映画

みなさんご覧になったことがありますでしょうか。アル・パチーノ主演『セント・オブ・ウーマン』(原題: "Scent of a Woman")ですが、個人的には大好きな映画です。盲目の元軍人扮するアル・パチーノが、最後に大学の講堂でスピーチをするシーンがあるのですが、これがもう、鳥肌ものの演技力とそのスピーチの内容に、何度観ても泣きそうになってしまいます。

まだ観たことがないという方は、ぜひ一度じっくり観ていただければと思いますが、今回はこのスピーチの中から日常で使えそうなフレーズをいくつか拾ってみようと思います。ちなみに、このスピーチのシーンがちょうどYouTubeで見つかったので(2017年2月4日現在)、下に貼っておきますね。


1/3 夢の香り・スレード大佐 vs トラスク校長・逆転スピーチ

丁寧に字幕も日本語訳もつけてくれていますので(細かい間違いがところどころありますが)、まずはこちらを観てどういうスピーチか把握してみてください。
※ただし、本編を観てない場合は、アル・パチーノが何に腹を立てているのかあまりわからないとは思います。 

"Watch your language"
「発言(言葉遣い)に気をつけなさい」

大人や教師が子供に対してよく言う言葉で、特に fuck, shit, hell, bitch などの汚い言葉を使った際などに言われる典型的は言葉ですね。

"Speak up"
「大きな声で言う、発言する、率先して意見を述べる」という意味

はっきりと通る声で言ったり、自ら主体的に意見を言うことを指します。このイディオムはかなり頻出なので、ぜひ覚えておいてください。使い方のハードルも低いと思います。

"What the hell is that?"
「一体なんなんだ!?」を強く言った表現です。

この "the hell" 自体には意味がなくて、その文全体の意味を強調するために使われています。ここで元となっているのは、"What is that!?" という疑問文です。

応用編として、かなり汚い言い方で、"What the fuck xxx(疑問文が続く)" という言い方をしたりしますが、自分で言う場合はかなりシチュエーションに気をつけた方が良いとは思います(基本、言わないに越したことはないと思います)。

"Are you finished?" 
「終わった?」という意味です。この受動態の言い方の便利なところは、「何が」終わったのかの「何」という目的語を入れずに使えるところです。例えば他の言い方として、
"Did you finish (it)?" とか "Have you finished (it) ?" とも言えますが、it に当たる目的語の部分に何か入れるわけですが、上記のように "Are you finished?" はそのままでいけます。ただ、意味は基本どれも同じですね。

ちなみに、「まだです」と答える場合は、"No, I'm not" や "I'm not finished yet" などと言えば良いです。

"It's (it is) gone" 
何らかの理由により「"it"が指すものが、なくなってしまった」という意味です。

人を主語にすると、例えば "He is gone (forever/for good)" と言うと、これは彼がいなくなってしまって(亡くなってしまった場合を指すこともあります)もう戻ってこないような響きもしありますが、"He has gone (to 場所)" だと単純にどこかに行ったという意味です。例えば、"He has gone to Osaka." であれば、「彼が大阪に行っちゃった(が、一定期間後帰ってくる)」ようなニュアンスです。

"That is called integrity. That's called courage. And that's the stuff leaders should be made of. 
「それが誠実さであり、勇気というものだ。そして、リーダーたるものはそういう資質を持っていなくてはいけない」

映画ではこの辺のくだりから胸がジーンとなって止まらなくなるわけですが、「主語 + Be動詞 + called + 呼び名」はよく使うので、これも覚えておきましょう。"He is called Taka." 

さて、この次少し長めのセリフに関してまとめてみていきましょう。非常に良いセリフですね。 

Now, I have come to the crossroads in my life. I always knew what the right path was. Without exception, I knew. But I never took it. You know why? It was too damn hard.
この文頭の "Now" は「今」という意味ではなく、弱めの「さて、ところで」くらい意味で使われています。
「さて、私も今まで人生の岐路に立たされてきたが、いつもどれが正しい道なのかというのはわかっていた。例外なくだ。だが、その道を進めたことがなかった。なぜかわかるか?その道があまりにも困難だったからだ」

"crossroad" 自体は「交差点」という意味ですが、"in my life" を付けることで概念的になっていますね。次の「know what S + V」という構文はたくさん応用が可能で、例えば、

"I know what I should tell my son."
"He knew what the right answer to that question was." 
"She knows what it is like to be an international student." 

などなど、what を why, where, when, how などに変えて同じように文章を作ることもできるので、応用文は無限に作れますね。

あとは、without exception はそのまま決まり文句として覚えておけばいいですね。"damn" は "too hard" の真ん中に入れることでそれを強調しています。damn もそこそこ汚い言葉ですが、goddamn と同じです。もっと汚く言う場合は damn の代わりに fucking を入れればいいわけですが、ちゃんと状況を考えましょう(笑)

今回は個人的に大好きな映画「セント・オブ・ウーマン」からいくつか紹介しましたが、ここまで観てきておわかりのように、セリフをそのまま使うというよりは、その中に含まれる汎用的なフレーズや単語や表現を抽出して自分の引き出しに入れていく作業と、あとは別途スピーキングの練習が必要です。

このスピーチもとても情感豊かなので、アル・パチーノになりきって練習するのは良い練習になると思いますよ。

 

"Thank you for the compliment of coming over." って女性が言ったら?

f:id:yuichironagai:20170201163842j:plain

さて、前回のエントリーでは、映画「最後の恋のはじめ方」の中のバーのシーンを使ってフレーズなどを見ていきましたが、今回はそのシーンの続きを少し見ていきましょう。前回登場した Chip と Sara の会話に、主役の Hitch(ウィル・スミス)が割り込んでくるシーンです。

実際の映画のシーンはこちらのYouTubeを参考にしてください(いつまでここに残っているかはYouTube次第ですが)。


Hitch - a part of movie 2

今回取り上げる会話のスクリプトが下記です。   

Sara: ...but thank you for the compliment of coming over.
こうして声をかけていただいたのに恐縮です。どうもありがとう。

Chip: You are welcome. So, do you like Cuban food?
どういたしまして。で、キューバ料理って好き?

Sara: Chip, seriously, that wasn't the code for "I wish you'd try harder."
......チップ、あのね、今のは「もうちょっと押して」って合図で言ったんじゃないの。

Chip: Are you always so shut down, and afraid, that the right man might make you feel like a natural woman?
君はいつもそんな自分の殻に閉じこもってるの?この人となら自分らしくいれると思わせてくれるような「運命の人」に出会うのを恐れてるの?

Hitch: Sorry I'm late, honey. I couldn't get a cab. So how was the meeting?
ごめんねハニー、タクシーがつかまらなかったんだ。それで、ミーティングはどうだった?

Sara: Oh, well, there was a beginning, a middle, and an end. Nice to meet you, Chip.
そうそう、ミーティングはね、始まりがあって、途中があって、終わりがあったわ。話せてよかったわチップ、じゃあね。

というわけですが、なかなか面白いシーンですよね。

1) Thank you for the compliment of coming over.
compliment というのは「褒め言葉、賛辞・称賛」という意味です。つまり「わざわざ coming over してくれたという称賛」に対して「ありがとう」とお礼を述べているわけえすね。実際、サラはこれを会話の終わりにしようとしました。

2) You are welcome. So, do....
が、チップは引きません(笑)ここで「キューバ料理好き?」とか放り込んでくるあたりかなりおもしろいですよね(笑)ちなみに、以前のエントリーで紹介しましたが、この "food" の発音はマストでおさえてくださいね。

sayreally.hatenablog.com

3) Chip, seriously...
「いや、ホントに....」とサラもすでに引いてます。この "Seriously" という言い方はかなり頻出なので、ぜひWeblioなども駆使して体得していただきたい発音です。Seriously に関しては以前のエントリーでも少し解説しました。

sayreally.hatenablog.com

4) Are you always so shut down, and afraid...?
これはチップがどこかからかコピーしたお決まりの台詞なんでしょうね。なので、最後の部分をヒッチ(ウィル・スミス)が予測して同時に口にできたわけです。ここではぜひ、「make 人 feel 形容詞」と「make 人 feel like 名詞」の2つのパターンを覚えておきましょう。
【例】
形容詞:"Talking to you always makes me feel good about myself."
名詞:"He makes me feel like a stupid person."  

5) Well, there was a beginning...
この切り返しはおもしろいですよね(笑)当然ですが、どんなミーティングでも「最初と途中と終わり」があります(笑)つまり、これはミーティングの話はどうでもよいというか、実質「ほら、おれが来たんだからしょうもないナンパ野郎は退散する時間だぜ?」と言われてるシーンですね。

 

今回のシーンでもサラの感情表現は良いですね、ちょっとびっくりイラっとした様子で真似をしながら繰り返し練習したいですね。ぜひ200回くらいやってみてください!

 

 

 

 

 

 

"So, don't take the following personally." と前置きをしておけば....

f:id:yuichironagai:20170131185628j:plain

前回のエントリーでも紹介しました、映画「最後の恋のはじめ方」から、もうひとつシーンをとってきたので紹介します。このシーンはたまたまYouTubeにもあったので、これを何度も観て練習に使ってもらえますね。(下に動画を埋め込んでおきます) 

以下が今回注目したいシーンのスクリプトです。

Sara: "Listen Chip. I understand the courage it takes to walk across the room and try to generate a relationship out of thin air. So, don't take the following personally."
サラ:「ちょっと聞いて、チップ。こんな雰囲気の中で唐突にやってきて話しかけるのって大変だ(勇気が必要)ってことはわかるの。だから、次に言うことは個人的にとらないでね」

Chip: "You have fantastic eyes...."
チップ:「とても素敵な瞳だね....」

Sara: "....Thanks. Try to listen. This is no reflection on you, but I'm not just interested."
サラ:....あ、ありがとう。いいから聞いて。あなたがどうってことじゃなくて、単純に今そういうことに興味がないのよ)   


Hitch - a part of movie 2

このシーンを観れば一目瞭然ですが、チップは明らかにKYな変人系ですよね(笑)一方で、サラはかなり早口で喋りますし、話し方や雰囲気も明らかにインテリジェントな空気を出しています。このサラを真似してこのセリフを繰り返し練習するのはとても練習になるので是非やってみてほしいのですが、おさえておきたいフレーズを分解しておきましょう。

"the courage it takes to....." 
to 以下のことのするために必要な courage(勇気)、という意味ですね。これはこのまま応用できて、
"the money it takes to build that house" 
"the time it takes to walk to the restaurant" 
などなど、この構文でいろいろ文章は作れます。

"try to generate a relationship"
こういう文脈で"generate"って使えるのかー、って思いますよね。少なくとも英語の教科書とか参考書には出てこない使い方です。こういうこなれた言い方をたくさんストックしていきたいわけですよね。しかも、発声してみればわかると思いますすが、この文章を早く言おうとすると舌がもつれます(笑)そう簡単には言えないですよ。

"out of thin air"
これは、「唐突に」「どこからともなく」「ないもないところから」みたいな意味で、要するにこのシーンでは別に知り合いでもなく誰かに紹介されてわけでもない初対面の女性に向かっていきなり声をかけることを指しているわけです。

"Don't take the following personally"
これは、"Don't take it personally" というお決まりのフレーズでよく使われます。「それ(itが指すことを)を個人的にとらないでね」という意味です。今回のケースでは、"the folloiwng" (次のこと = これから言うこと)を個人的にとらないでと言ってるわけですね。 

このシーンの後、ウィル・スミス演じる主役のヒッチが登場します。サラとの初対面シーンなのですが、カッコよく登場してカッコよく去っていきます。チップとまさに対照的とも言えるその姿が、サラには強く印象に残ったというシーンになっています。 

このシーンでは、サラが非常に表情豊かに、トーン豊かに、セリフを喋ってくれます。チップに対してちょっとイライラしてる感じとか、この感情豊かなシーンを何度も何度も真似て練習すると(身振り手振りもつけて)とても良い練習になりますよ! 

日本人が戸惑いがちな冠詞・前置詞

f:id:yuichironagai:20170125174513j:plain

今回は、日本人の多くが頭を悩ませる「冠詞」「前置詞」について見ていこうと思います。

ただ、詳細は関連書籍やウェブ上で調べていただくのが良いと思いますし、このエントリーの目的としては、「細かいことは気にしない!(特に喋るときは)」というスピリットを持ちましょうということなので、ざっくりとは理解しつつも、会話時にあまり気にしすぎると喋れなくなってしまうので、そこはドーンと構えていきましょうというメッセージが大前提としてあります(笑)

真面目な話、これは結構大切なポイントで、冠詞や前置詞だけでなく文法や発音もそうですが、「本番では細いことを気にせず今できるを全力でやって」「終わった後に振り返りながら何ができて何ができなかったかを検証しつつまた自己練習に戻る」というサイクルを回せるかどうかですね。

ということで、一応ざっくりとだけ冠詞・前置詞を説明しますね。これくらいのざっくり感で把握しておいて、あとは会話の中で「感覚をつかんでいく」方がベターだと僕は思います。

冠詞

冠詞とはそもそも、

(1) 不定冠詞「a」「 an」
(2) 定冠詞「the」
(3) 無冠詞(何も付かない)

のことを主に指しますが、基本的なころは中学校英語で習ったとは思います。a と an の違いは、その次にくる単語の文頭が母音かどうかだというのは覚えている方も多いと思います。(例:an ant)

じゃあ a と the の違いはということですが、a は特定のものを指すのではなくて、「ランダムな1つの」ということです。上記の例の an ant といえば、どこかの一匹のアリのことですね。the ant と言う時は、"the and I just found on the floor" とか、ある特定のアリのことを話している場合です。"the ant that bit my finger at the park yesterday" とか、特定のアリのことですね。

また、"the moon" みたいな、基本的に1つしかないもの。月と言えば全員同じ月を見ているので、"the" になるわけですね。"その"月しかあり得ないわけです。"the sun" とか "the world" も同じ要領ですね。

そして、イレギュラーとして、名詞の前に冠詞が付かない無冠詞のケースも見かけると思います。 1つは、カテゴリー丸ごとの話をする場合。例えば、「人ってさ」みたいな時に "People" "Humans (Human beings)" と言ったり、鳥のことを一般論として何か言う場合には "birds are usually...." とか複数形にするわけです。また、Water など数えられないものは複数形にならないので、基本的にそのまま単数形で無冠詞で使います。(が、その限りではなく、"under the water" などのケースもあります)

あとは、概念として語る際に冠詞をつけない場合もあります。例えば、"Work is important." では、Work(仕事)という概念を話しているので、特定の仕事のことを言っているわけではなく、仕事の一般論です。同じように、"Life is beautiful." もLife(人生)という概念を扱っています。

最後に、固有名詞(例:人の名前、場所の名称など)にも冠詞は付かないですよね。

だいたいこんな感じで、まずはざっくり理解つつ、喋りながらこの辺の詳しく勉強したい方は、下記の記事など参照してはいかがでしょうか。とてもよくまとまっていると思います。

toeic-guru.jp

前置詞

さて、次は前置詞です。

前置詞も、僕ら日本人はわりと苦手です。でも、やはりこれもひとつは感覚です。最終的には感覚的に、「あ、ここは at じゃなくて on かな」とか、理屈云々より、感覚的にスッと入ってくるようになるのを待つしかないですし、前置詞もちょっと間違っても通じます。聞いてる側は少し違和感はあるでしょうが、大意は間違いなく通じるので、前置詞を間違ったらかコミュニケーションが取れなかった、なんてことはありえません。

よく日本語を学んでいる外国人の方に、「なぜそこは ”が” で、”を” ではないのか」みたいな助詞などのことを聞かれても、なかなか説明するのは難しいと思います。僕らはそれこそ感覚的にそういう作業をやっているので、何かルールを覚えていてそれに従っているわけではありません。ただ、日本語をイチから学ぶ外国人にとっては、ルールを説明してくれないと自分で使えません。

というわけで、逆も真なわけですから、僕らは感覚的にわかるところまでの道のりは長いので、まずはある程度のルールを把握しておいて、あとは会話を重ねて行く中で、真似をしたり感覚が徐々についてきたりして、済州的にはいい感じになります(笑)

 

【on】
「〜の上に(物理的に)」というのが一般的な用法です。on a tableとか。他によく使うのは、「〜に関して」という意味で、つまり about と同じ意味です。"We talked on the issue."みたいな使い方です。これも覚えましょう。

【in】
まあこれは文字通り「〜の中に」ですね。場所を指して、例えば in Shibuya とかも言いますが、よく聞くのは at Shibuya ではダメなのか、という質問ですが、別にダメではないです。ただ、通常 in の方が広い範囲を指す傾向がある一方、at は例えば at the Shibuya station のように、特定の場所「で」という時に使うのがメインです。in はどちらかというともう少し広く、in Shinjuku とか、in Tokyo とかで使います。「東京では」という時に、at Tokyo と言うのを聞いたとは一度もありません。

【at】
上述のように、ある場所を指す際によく使います。ピンポイントな場所だと覚えておけばいいですね。あとは、at 10 o'clock とか時間にも使います。よく考えると時間もピンポイントですよね。また、at the top of Mt.Fuji や、at the end of April みたいな使い方もよくありますが、「狭い空間」「狭い時間的範囲」を指しているという意味で納得できます。あとは、"He's good at singing."  みたいな使いかもありますね。この場合は「彼は歌 "が" 上手い」という、ある特定の狭いスキルに長けているということなので、理にかなっている気がします。 

【about】
これも上述ですが、on と同様に「〜に関して」という意味が頻出です。あとは、「およそ〜」の意味でも使われます。about 10 years ago とかそんな感じですね。

【with】
これもいろいろ用途がありますね。基本的には「〜と一緒に」という意味ですが、その他によく使われるのが、"I don't have any problem with that."みたいな使い方です。これは「そのことについて何も問題ない」と言ってるわけですが、「一緒に」と言ってるわけではありません。"What's wrong with it?" みたいな使い方もそうですね。これは「〜に関して」というニュアンスですね。

とりあえず基本的なところだけを触れておきましたが、イディオムと一緒になって使うときなど、通常はどの前置詞がセットになるかは決まっています。それを丸ごと覚えるのもひとつですが、かつニュアンスとしてなぜそれが使われているのかを考えるようにしていくと、少しずつ感覚的なものが養われてくると思います。

詳しく学習したい方は、こちらの記事なども参考にしてはいかがでしょうか。

toeic-guru.jp

まとめ

というわけで、今回は冠詞・前置詞を「ざっくり」と見てきました。もちろん詳しく知識として頭に入れておくに越したことはありませんが、でも頭でっかちになってしまうよりは、あまり気にせず間違ってもいいから話す。で、会話の中でネイティブたちがどう冠詞や前置詞を使っているかを注意して聞きながら、徐々に自分もそう言えるようにしていく、という学び方が個人的にはマッチ・ベターだと思っています。

日本人はすぐに完璧主義になる傾向があるので(そういう間違い探しばかりの英語教育を受けているので)、一旦パブリックな空間で(人前で)間違うことへの心理的なハードルをグッと押し下げておく必要があります。間違ってなんぼです。間違いながら、政界との差を認識し、それを真似て行く。間違いを恐る人は本番・実戦を避けて、ひたすら知識武装に走る傾向があります。それは英会話上達の重い足かせになるので要注意ですね。

"We never had any models for a way out." という環境で育つということ

f:id:yuichironagai:20170125134637j:plain

ロールモデルの不在

これは、ある記事を読んでいたときに目に止まった一文です。今は社会的に成功している人が、十数年ぶりに子供時代を過ごした街を訪れますが、その荒廃ぶりはスラムのよう。そして偶然そこで旧友に出会います。彼は最近麻薬の違法売買で3年半の懲役が決まったと言いました。続けて言ったセリフが印象的です。

"That's all we knew how to do. We never had any models for a way out."
(おれたちは麻薬を売りさばくことくらいしか知らなかったんだ。そんな生活を抜け出すためのお手本になってくれるような人もいなかった) 

「うーん...」となってしまうセリフですね。特にスラム街などの貧困層は、貧困の再生産をしてしまっているという実情があり、そこではロールモデルになるような人もいませんし、教育を受ける環境もないなど、様々な課題が今も根深くありますが、その話をするときりがないので、今回はこの文章から学べることに集中しましょう。

ポイントとなるのは、

- That's all + 主語 + 動詞
- model 
- a way out

あたりでしょうか。
特に、「That's all 主語 動詞」はかなり活用範囲が広いと思うので、ぜひこれはテンプレ化して頭に入れておきましょう。

That's all I want to tell you. 
That's all you need to know. 
That's all he gave her.
That's all they heard about the accident. 
などなど、 いくらでも作れます。これをちょっと変化させて、
That's only a half of what was supposed to be done. 
(それは、完了するはずだったことの半分にすぎなかった = 予定していた半分しか終わらなかった)
とかも言えますので、いろいろアレンジが可能ですね。

また、ここでの"model"とは、ファッションモデルではなくロールモデル(人間としてお手本になる人)のことで、それぞれ通常は"fashion model"、"role model"と何のモデルかも付けて言いますが、文脈上明らかな時は、"model"とだけ言ってもわかってくれます。 

最後に、"a way out"ですが、これは決まり文句で「出口」です。今回のように概念的な出口(脱出方法)という意味でもよく使います。

皮肉ですが、上記のような状況を指して、"There's no easy way out"(そういう状況から簡単に抜け出せる方法はない)とも言えますね....

今回は少しライトめなエントリーでしたが、That's all....のくだりはかなり使えるので、みなさんアレンジして活用してください!