"Really"がうまく言えない

セルフラーニング英会話

実際の生活上で使えるフレーズや発音、個人練習の方法やコツなどを紹介

"Language Exchange" はホントに効果的?うまくいくパターンといかないパターン

f:id:yuichironagai:20170701230014j:plain今回は、ランゲージ・エクスチェンジについて、自分の体験に基づいて思うところを書いてみたいと思いますが、本題に入る前に、よく話題になる「ネイティブの彼氏(彼女)をつくれば自然に英語は上達するのか」という古くて新しいテーマにちょっと触れてみたいと思います(笑)

自分の留学中の体験を通して、個人的な結論から先に言ってしまうと、「意外とそうでもない」と思っています。逆に言えば、ネイティブの恋人をつくらなくても上達する人はいくらでもいるし、つくっても上手くならない人もたくさんいる、ということです。

恋愛関係においては英語を教えてもらいにくい!?

「えっ?でも毎日英語で話さざる得ないから、さすがに度合いは違ってもみんな上手くなるんじゃないの....?」と意外に思う人も多いと思いますが、恋愛関係において英語を教えてもらうというのが意外とうまくいかないことが多い理由として、「ケンカになってしまいがち」という罠があるんです(笑)

恋愛相手に逐次「それは違うよ」とか「その発音では通じないから、こう言ってみて。違うね、もう一回。まだおかしい、はいもう一回」とかって言われ続けると誰だってカチンときますよね?(笑)これが、講師と生徒とか、お金払ってレッスンを受けているとかであれば別なわけですが、恋愛関係で日々一緒にいる中でやられると、徐々に苦痛になってきます。

教える方も教える方で、単に普通に会話をしたいだけのときも、次から次へと指摘すべき箇所が耳に入ってくるわけで、指摘しないのも気まずいし、とはいえすべて指摘していると会話が進まないしで、結構なストレスになったりもするわけです。そうなると、もう通じてればとりあえずいいか、というような境地になりがちで、なかなか首尾一貫して厳しく教えたりできなくなってしまうわけですね。

それに、相手がお世辞にも上手とは言えない英語(日本語)で話していても、それをずっと聞いているので良くも悪くもだんだん慣れてきて、それなりに理解できるようになっていくので、余計にお互いに指摘し合わないようになっていったりもします。

そんわけで、良い悪いではないものの、恋愛関係の中で英語〔日本語)を教える・教えられるという行為にはそれなりのハードルがあると自分は思っています。

とはいえ、冒頭に述べたとおり、それを乗り越えて上達する人もたくさんいます。ただ、そういう人たちは、きっとネイティブの恋人がいようがいまいが上達した人だろうなと個人的は思っています。

ランゲージ・エクスチェンジをうまくやるには

「じゃあ、恋愛関係にないランゲージ・エクスチェンジは常にうまく行くんですか??」という声が聞こえてきそうですが、もちろんそうとも限りません。実際に失敗例もたくさん見てきました。それもふまえて、「うまくいくランゲージ・エクスチェンジ」の条件を自分なりに考えてみました。

個人的には、次の3つが非常に大切だと思っています。

(1)相手が日本語や日本の文化に興味関心が強く、かつ自分で平仮名やカタカナや漢字を勉強している(または勉強して挫折した経験がある)

(2)共通の趣味があり、そのことを話せばいくらでも盛り上がれる

(3)Face-to-Face で週に1度は会える環境がある

「そんなの当たり前じゃない?」と思ったかもしれませんが、1つずつもう少し噛み砕いて説明してみたいと思います。 

1. 日本語(文字も)を勉強した経験があること

これがなぜ大切かと言えば、それがその人の日本や日本語に対する「本気度」を測る上でのわかりやすい指標になるからです。「大学で日本語のクラスを取ったことがある」というくらいの人はそれなりにいるのですが、日本の大学で履修する第二外国語のクラスを思い浮かべてみてください.....一般的には、本気で興味をもって勉強している人って多くない印象がありますよね?

海外で同じです。珍しさから日本語クラスを取ったことがある、アニメや漫画が好きだからというミーハーな理由で取ってみた、みたいな人は結構いますが、大半の人は単に単位を取った(またはドロップした)という程度なので、その後は特に何もフォローアップの勉強をせずもう何も覚えていなかったり、そもそも別にそこに熱量は持ってなかったりします。

それはそれで良いのですが、ただ、ランゲージエクスチェンジの相方としては実はこれは結構重要なポイントで、単純に日本のアニメや漫画が好きだという人たちは、意外と日本語そのものを習得するモチベーションが低かったり、すぐに諦めてしまったりする傾向があります。平仮名、カタカナ、漢字と3種類も文字を使う時点でハードルが高すぎてやめてしまったりするんですね。で、単に字幕付き(や吹き替えで)アニメが観れればそれでいいや、となってしまいがちです。

そういう人が相手だと、なかなかランゲージ・エクスチェンジの相手としては長続きしにくいと思います。こちらが教わりたいことばかりで、向こうは教えてくれるのみだと、一方通行の時間が多くなってきます。そうなると、Give & Take感も薄れていき、かつ授業料を払っているわけでもないとなると向こうが徐々に面倒臭くなっていき、、、という流れになりがちです。

なので、できれば向こうが日本語を読み書きできるよになりたい(e.g., 日本の漫画をそのまま読んで理解できるようになりたい)とか、次の日本への旅行までに簡単なやりとりはできるようになっていたいとか、日本に留学しようと(仕事を見つけようと)思っているとか、リアルなモチベーションがある人を見つけられると、双方の熱量のバランスを保てるので、一方的な形ならずお互いに無理なく教え合うことができます。

かつ、上述のような「恋愛関係」になければ、遠慮なく相手の訂正すべきところをビシバシ指摘し合えるので上達も加速します。そういう意味でも、できるだけ恋愛対象にならないパートナー(同性のみで探すとか)を選ぶのがベターだとは思います。

2. 共通の趣味があること

これがなぜ大事かというと、これがないと「そもそも話題に事欠く」からです(笑)なんというか、毎回お互いに参考書を持ち寄って勉強する、というのは別に悪くはないのですが、それだけだとやはりモチベーションが続かなかったりするので、それが何でもいいのですが何かひとつ共通の趣味があるとマッチベターだと思います。

自分自身のケースでは、向こうが日本の漫画やアニメだけでなく、結構歴史なども好きだったりもしたので、その辺の話はいくらでも話す余地があったのと、自分が留学していた2003-2006年当時もすでにYouTubeだったりいろんな動画サービスで、日本のアニメを英語吹き替え版や英語字幕付きで観たりもできたので、そういうものを教材にして「なぜここはこういう訳になるのか」「この発音がどうしても登場人物が言っているように発音できない」など、ストップしては再生し、再生してはストップし、を繰り返しながら延々と一緒に勉強しました。

しかも、こういう勉強の良いところは、「勉強してる感がゼロ」だということです。単純に遊んでいるだけなんですが、それがこれ以上ない勉強になっている、という最高の状況でした。お互いにどんどん新しい言い回しや単語を知って覚えていくことができますし、アニメや漫画ではどういう状況でそういうふうに言うのか、そういう言葉を使うのか、ということが実際のシーンと一緒になって学べるので、自分が使うシーンも容易にイメージできるわけです。これは本当に効果的でしたね。

もちろん、別にアニメや漫画でなくてもよくて、サッカーやバスケなんかのスポーツだったり、政治や宇宙科学やコンピュータ関連だったり、ジャンルはまったく問わないわけですが、何かひとつでも熱くなってお互いに共有できるものがあると、勉強しているっぽくなく勉強できて楽しいですよ!

3. Face-to-Face で週に一度は会える環境がある 

これももちろんマストではなくて、別にビデオチャットメインでも悪くはないわけですが、やはり face-to-face のコミュニケーションを重ねた方が、人と人は仲良くなりやすいと思うわけですね。やはりフィジカルに一緒の空間にいて話すのと、PCのスクリーンを通しているのとでは結構な違いがあると個人的には思っていて、ランゲージ・エクスチェンジの効果を最大化するためにはできるだけ普通の友達同士のような関係になれる方がベターだと思っているので、そういう意味で face-to-faceは大切なんじゃないかということです。

いかに勉強してるっぽくなく勉強できるか。どれだけそのプロセスを楽しくできるか。ランゲージ・エクスチェンジがサステナブルで双方に利益をもたらす結果になるためには、このポイントにかかってる気がしています。

単に毎回カフェで待ち合わせてその時持ち寄った時事トピックついて話す、というやり方よりは、週末に会って一緒にいろんなところに遊びに行ったり食べに行ったり、まさに友人として一緒に過ごす中で勉強するというのがベターだと思うわけですが、とはいえ、大人になってフルタイムで仕事をしながらそういう相手を見つけて実行するのは現実的に難しいというのもよくわかります。

学生自体にそういう環境をつくることができた自分は本当にラッキーだったと心から思うわけですが、今やってみろ言われると......確かに簡単ではないだろうなと思いますが、たとえばグロービスなどで英語で行われている講義を受けたりして、そこに出ているネイティブの生徒と仲良くなってお願いするとか、英会話講師でなくて良いので、ビジネスで関係する日本在住のネイティブスピーカーと家族ぐるみで付き合ったりするような仲になれたりすると最高だとは思いますね。

お互い釣りやゴルフが好きで一緒に行ったりとか、子供達の教育の話題で盛り上がるとか、車や温泉が好きで一緒に温泉巡りに行くとか、なんでもいいわけですが大人の趣味で盛り上がれる人だと上述のようなシナジーが生まれると思います。

ただ、日本に仕事の関係で滞在している海外の人たちは、必ずしも日本語を上達させたいと思っているわけではないので(そう思ってない人の方が多い)、「ランゲージ・エクスチェンジ」にならず、実際自分ばかり教えてもらうということになりがちだとは思いますが、それでも何もしないよりはもちろんマシですよね。

まとめ

そんなわけで、個人的にはネイティブスピーカーの恋人をつくることが英会話上達の早道だとは思っていないわけではあるのですが、良いランゲージ・エクスチェンジ相手を見つけられるとそれは相当な早道になると思っていて、そのために大切なのは上述の3つのポイントではないか、という話でした。

自分は、アメリカの大学院留学中の最初の学期が終わる頃に、あまりにも自分が話せず&聞けず授業についていけないと打ちのめされ、「もうダメだ、退学して帰国しよう」と思うところまで追い詰められたことがあったのですが、そこから何とかV字回復ができたのは、最高のランゲージ・エクスチェンジ・パートナーに偶然巡り会えたからでした(実際3人も巡り会え、毎日毎週末のように彼らと遊んでいました)。

社会人の方々はそういう出会いを日常に求めるのは難しいとは思いますが、上述のようなビジネスにおいてつながって結果として良いパートナーになってくれるような友人ができると最高ですよね。ぜひがんばってください!