"Really"がうまく言えない

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英語プレゼンでやってはいけない5つの大罪

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今回は若干ショッキングなタイトルをつけましたが、自分自身も含め日本人が英語でプレゼンをする際によくやってしまう典型的な「いち早くやめた方がいいこと」について書いてみたいと思いますが、逆に言えば、これらをやめるだけで英語でのプレゼンの質が飛躍的に上がるグッとあがるということなので(日本語でのプレゼンの質も)、ぜひ試してみていただければと思います。

 

日本人が英語プレゼンでやってしまいがちな5つの大罪

  1. "My English is not good...." など、冒頭に「私は英語がうまくないので.....」「聞き苦しいかもしれませんが.....」「慣れないプレゼンで緊張してまして....」というような日本人特有の謎の謝罪/謙遜ステートメントから始めてしまう
  2. 「これからxxxxについてプレゼンします」と言ってしまう
  3. 文字がびっしり入ったスライドを使って話す
  4. スライドを見ながら話す
  5. 話に抑揚や緩急がなくフラットである

 

実際まだまだ挙げ続けられそうですが、一旦パッと思いつく典型的な例を挙げてみました。ただ、実際のところこれらは日本語でプレゼンする時もやってしまいがちなことでもありますよね。

では、1つ1つ解説していきます。

1. 冒頭に謝罪してしまう

これはわたしたちが生まれ育つ文化的・環境的要因が強いのだと思いますが、これまで数多くの日本人による英語プレゼンを見聞きしてきた中で、非常に多くの人たちがこの大罪を犯しています。

まず自覚しなくてはいけないこととして、こういう冒頭の言い訳・謙遜・へり下りみたいな(国民的な英語劣等感からくる)ものが好意的に受け取られるような文脈が存在するのは、おそらく日本人の間のみです。

国際舞台で言ってしまうのは、単純に「私は自分自身に対しても、これから話す内容に対しても、自信がありません」と自分を貶めているだけです。そんなものは日本の外では美徳でもなんでもありません。

どうしてもわたしたちは「完璧」かそれに近いくらいのレベルで話せない限り、自分が外国語を「話せます」と自信を持って言うようなことはありません。必ず「いえいえわたしなんて、、、」となるわけですが、それがあまりに根強くあるために、「今から私は得意でもない英語でプレゼンなどしちゃいますが、どうかお手柔らかにお願い致します」というような意味合いで免罪符をもらおうとしてしまうわけです。

もちろん、日本国内ではそういう謙遜的姿勢は好感が得られやすいのでOKなわけですが、実際それは完全に国内だけに通じる価値観だということを、日本国民全体が一度気づく必要があります。

たとえば、食事の後に作った人が「お粗末様でした」と言ったりするのも日本特有で、ふつうに考えれば、「え?自分でもお粗末だと思うようなものを提供してたの?」となってしまうわけです。

ですから、プレゼンの冒頭でこの手のことを言うのは絶対にやめましょう。好感を得られないばかりか、自信のなさが強調されるだけで、オーディエンスも不安になります。プレゼンターの不安や自信なさげな振る舞いは、そのままオーディエンスにも伝染するので、そんなことを冒頭から言って始まるようなプレゼンがうまくいくことは稀です。

世界中を見渡せば、英語が母国語でない人口の方が圧倒的に多数ですが、個人的な経験では、日本人以外で英語でプレゼンをする際にこんなセリフを言うのを聞いたことがありません。アクセントのきつかろうが、語彙が少なかろうが、彼らは自分のできる範囲内の話し方と語彙で堂々と話します。なぜなら、そこに伝えるべきことがあるからで、その中身こそが大切であり、文法や発音や言い回しはどうあれ、本質的なメッセージを伝えることに集中します。

国際舞台で発言する日本人たちも、そういうメンタリティをしっかり持って発信できるようでありたいですよね。

2.「今からプレゼンします」と言ってしまう

たとえば、日本の教育システムについてプレゼンをするとしましょう。プレゼンのスライドのタイトルも「Education System in Japan」とかになっているとします。そして、いざプレゼンが始まる冒頭で、 "I'm going to present on Education System in Japan." と言ってしまったりするわけです。

「え?それの何がおかしいの??」と思った方もいるかもしれませんが、これは英語でのプレゼンに限りませんが、そもそも言わなくてもわかっていることをあえて言う必要がないということです。

オーディエンスは皆これから日本の教育システムについてプレゼンするんだということを知っています。プレゼンターが口を開く前からみんなわかっているわけです。なのに、あえて "I'm going to..." と最初に言う必要があるでしょうか?完全に無駄ですよね。

それに、無駄なだけならまだしも、大切なプレゼンの入り口を台無しにしてしまいます。プレゼンは、オーディエンスの心をつかむためにも、最初の10-20秒は非常に大切です。そんな時間を使って上記のようなセリフを言ってしまうと、次にどう話をつなげるのかが困難になります。

通常であれば、最初にちょっとしたエピソードから入ったり、あえてオーディエンスに質問を投げかけてみたり、誰かの言葉の引用からはじめてみたりと、プレゼンの入り方はいろいろありますが、"I'm going to present..." と入るのはほぼ最悪のパターンです。

これはぜひ、卒業しましょう。

3. 文字がびっしりつまったスライドを使って話す

これもよく見かけますが、スライドを読んでくださいと言わんばかりの説明文章が詰まったプレゼンを用意する人たちが結構います。

もちろん、資料として提供する場合は実際に読んでもわうわけですからそれで良いと思いますが、口頭でプレゼンするのであれば、見せるスライドはできるだけトーキングポイント(見出しやキーワード)に絞ったものにして、あとは口頭の力でオーディエンスに語りかけるべきです。

あえて口頭でプレゼンするからには、その場でオーディエンスの感情に直接訴えかけるプレゼンをするべきであり、そのための場であるはずです。それがTEDのようなプレゼンだろうが、ビジネスのおける商談的なプレゼンだろうが、同じです。

話はどうでもいいからとりあえず読んでくださいと言わんばかりの文字数のスライドを使ってプレゼンをするのは本末転倒ですよね。

4. スライドを見ながら話す

前の例と関連してですが、これも実際よく見かけるパターンで、ずっとスライドを見ながら(読みながら)プレゼンをする人たちがいます。つまりオーディエンスにほぼ背を見せるようなことになっているわけですが、これも同様に本末転倒な状況です。

スライドを読みながら話すのであれば、単純にそのスライドを資料として渡して各自読んでもらえばいいだけで、あえてそれを口頭で読み上げてあげる必要はありません。プレゼン中に手元の小さいモニターで話す順序やキーワードだけ書かれたようなカンペを見るのはOKですが、単純いスライドを読み上げるようなプレゼンは、、、そもそもやる意味がないですよね。

今どきそんなプレゼンをしているような人たちは少数派であると思いたいですが、ちょっと前までの日本では、そもそも人前でプレゼンする機会が非常に乏しい教育環境で育ってきていたということもあり、多くの人が苦手意識を持っている&経験している場数が少なすぎるため、読み上げる系のプレゼンがむしろ一般的だったように思います。

これもそもそものプレゼンの意味を喪失させるような大罪なので、ぜひやめましょう。 

5. 話に抑揚や緩急がなくフラットである

ニュースを読んでいるかのようなプレゼンをよく見かけますが、人間の集中力はただでさえ短時間しかもたないのに、一定のスピードと抑揚でダラダラ話すとオーディエンスはすぐに飽きてしまいます。

一般論ですが、日本人のプレゼンに一番足りてないとよく感じるのは、やはりオーディエンスに語りかけるというスタンスなのではないかと思います。どれだけオーディエンスの数が多かろうが、誰かひとりに語りかけているように話すと良いというようなアドバイスもよく見かけますが、スライドを読み上げるようなプレゼンから脱却し、ちゃんとオーディエンスに語りかけるようになってくると、オーディエンスの反応がどんどん目に飛び込んでくるようになります。

通常、1対1で対話をしているような時は、お互いに相手の反応を逐次見ながら、相槌や次の言葉やトーンなどを選んでいます。あらかじめ用意されたセリフを言い続けたりするような対話はありませんよね。その場その場で相手の受け答えなどを見ながら、微妙に言い方や抑揚を変えたり、言おうと思っていたことをあえて言わずにおいたりと、とても細かい微調整をしているのが人間です。

プレゼンにおいても、実際にはそれに近いことができるのが良いのではないか、ということですね。最初から用意しているスライドやセリフだけでやるプレゼンは、もちろん悪くはありませんが、それ以上でも以下でもないものです。

卓越したプレゼンターは、オーディエンスの反応を見ながら何を話して何を話さないか、どこに一番力と時間を割くべきか、どこで予定していなかったような脱線トークをあえて入れるのかなど、その場の即興でプレゼンを変化させる術を身につけています。

いきなりその域に達するのはさすがに難しいわけですが、まずは少なくとも棒読みプレゼンからは脱却し、できるだけ感情がしっかり乗っかったプレゼンを心がけましょう。オーディエンスの感情に訴えかけるには、こちらも感情を入れないと無理です。

そして、語りかけるように、オーディエンスの中の何人か特に反応の良い人たちの顔を代わる代わる見ながら話すようにすると、さらに語りかけるようなトークを展開しやすいと思います。オーディエンスは、語りかけられればかけられるほど、自分が話しかけられていると感じれば感じるほど、その話に引き込まれやすくなります。

誰か特定の数人に語りかけるように話す。意識してやってみましょう!

まとめ

いかがでしたでしょうか。自分自身のプレゼンにも思い当たる節がありすぎて怖くなりますが(笑)、自戒の意味も込めて書いてみました。

冒頭で書いたように、これらのポイントは英語でのプレゼンのときに限ったことではなくて、日本語での場合も同じですよね。そもそもプレゼンとは何なのかという本質的なところの話なわけですが、なぜあえて「英語プレゼン」としたかというと、英語(外国語)でのプレゼンの際は余計にその傾向が顕著になるからです。日本語でのプレゼンではそうならない人でもなったりするので、あえて英語プレゼンというくくりで話をしました。

今後さらにテクノロジーの高度化が進み、どんどんロボットが人間から巻き取ってくれる仕事が多くなっていったとしても、人間がいろんな意味でプレゼンすることがなくなる日はこないでしょう。

良くも悪くも、人間は死ぬまで自分をプレゼンしていかなくてはいけない生き物であり、それは下手であるよりも上手な方がベターなのではないかと個人的には思います。

故・高倉健に代表する「わたし、不器用ですから」の美学が根強く残る日本の文化において、「プレゼン上手」はあたかも詐欺師・ペテン師、信用ならない営業マンというような捉え方をするような人もまだ多いかもしれませんが、プレゼンのスキルというのは、単純に流れるように話すとか、言葉巧みであるとか、そういうことではなく、本質的に伝えなければいけないメッセージをしっかり伝えきれるスキルのことです。口が上手い、というような意味ではありません。

そんなわけで、最後は話が脱線気味になりましたが、プレゼンでやってはいけない5つの大罪、少しでもみなさんの参考になれば幸いです。