"I have a son...." 親子って複雑なんだなと思わせるシーン
さて、今日はちょっと切ない内容ですが、亡くなる直前の父親が、バーでたまたま隣り合わせた人に自分の息子のことを語るシーンです。
"I have a son. He’s about your age. He’s not like me. He does what’s in his heart. He’s a good man. Maybe a great one. And right now he thinks I hate him. He thinks I feel betrayed by him. But what I really feel is gratitude and pride because of what he did to me, what he did for me. It took more courage than I have. There’s a pay phone over here. I could pick it up and call my son. I could tell him all about this. I could tell him that I love him. One simple phone call, and I could fix everything."
(わたしには息子がいる。ちょうど君くらいの歳だ。彼はわたしには似てなくてね、とても自分に正直な男なんだよ。良いやつでね。実際すごい男かもしれない。そして今、彼はわたしが彼のこと嫌ってると勘違いしている。わたしが裏切られたと感じていると思っているんだ。だが、わたしはむしろ彼に感謝している。誇りに思っている。彼がわたしのためにしてくれたことは、私には到底できないことだったんだ。そこにある公衆電話から電話すれば、今言ったことすべてを彼に伝えられる。わたしが息子を愛しているということも伝えられる。たった一本のその電話で、すべてを解決することも可能かもしれない)
“Why don’t you do that now?”
(じゃあそうすればいいのでは?)
"I can't. Because I'm weak."
(できないんだよ。わたしは弱い人間だから)
切ないですよね。なんのドラマだったか忘れましたが、この後この父親は自分で命を絶ってしまいます。たった一握りの勇気で、彼は死なずに済んだかもしれません。でもそれができない.....
父親がそうできなかった背景には、それまでの息子との長い期間にわたる確執があったからなのですが、とても切ないですね。
人間には、大切な誰かに伝えたくてもなかなか伝えられないことがあったりします。「人類皆スマホひとり1台」に近づきつつある現代においても、メッセージを伝えるだけなら無数のツールがあるにも関わらず、伝えられることなく宙をさまよい続ける大切な言葉たちが、世界にはたくさんあるのだと思わせるシーンですね。
今回はちょっとしんみりしてしまいました(笑)