"Really"がうまく言えない

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映画「セント・オブ・ウーマン」から、アル・パチーノの珠玉のスピーチ

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出典: Yahoo!映画

みなさんご覧になったことがありますでしょうか。アル・パチーノ主演『セント・オブ・ウーマン』(原題: "Scent of a Woman")ですが、個人的には大好きな映画です。盲目の元軍人扮するアル・パチーノが、最後に大学の講堂でスピーチをするシーンがあるのですが、これがもう、鳥肌ものの演技力とそのスピーチの内容に、何度観ても泣きそうになってしまいます。

まだ観たことがないという方は、ぜひ一度じっくり観ていただければと思いますが、今回はこのスピーチの中から日常で使えそうなフレーズをいくつか拾ってみようと思います。ちなみに、このスピーチのシーンがちょうどYouTubeで見つかったので(2017年2月4日現在)、下に貼っておきますね。


1/3 夢の香り・スレード大佐 vs トラスク校長・逆転スピーチ

丁寧に字幕も日本語訳もつけてくれていますので(細かい間違いがところどころありますが)、まずはこちらを観てどういうスピーチか把握してみてください。
※ただし、本編を観てない場合は、アル・パチーノが何に腹を立てているのかあまりわからないとは思います。 

"Watch your language"
「発言(言葉遣い)に気をつけなさい」

大人や教師が子供に対してよく言う言葉で、特に fuck, shit, hell, bitch などの汚い言葉を使った際などに言われる典型的は言葉ですね。

"Speak up"
「大きな声で言う、発言する、率先して意見を述べる」という意味

はっきりと通る声で言ったり、自ら主体的に意見を言うことを指します。このイディオムはかなり頻出なので、ぜひ覚えておいてください。使い方のハードルも低いと思います。

"What the hell is that?"
「一体なんなんだ!?」を強く言った表現です。

この "the hell" 自体には意味がなくて、その文全体の意味を強調するために使われています。ここで元となっているのは、"What is that!?" という疑問文です。

応用編として、かなり汚い言い方で、"What the fuck xxx(疑問文が続く)" という言い方をしたりしますが、自分で言う場合はかなりシチュエーションに気をつけた方が良いとは思います(基本、言わないに越したことはないと思います)。

"Are you finished?" 
「終わった?」という意味です。この受動態の言い方の便利なところは、「何が」終わったのかの「何」という目的語を入れずに使えるところです。例えば他の言い方として、
"Did you finish (it)?" とか "Have you finished (it) ?" とも言えますが、it に当たる目的語の部分に何か入れるわけですが、上記のように "Are you finished?" はそのままでいけます。ただ、意味は基本どれも同じですね。

ちなみに、「まだです」と答える場合は、"No, I'm not" や "I'm not finished yet" などと言えば良いです。

"It's (it is) gone" 
何らかの理由により「"it"が指すものが、なくなってしまった」という意味です。

人を主語にすると、例えば "He is gone (forever/for good)" と言うと、これは彼がいなくなってしまって(亡くなってしまった場合を指すこともあります)もう戻ってこないような響きもしありますが、"He has gone (to 場所)" だと単純にどこかに行ったという意味です。例えば、"He has gone to Osaka." であれば、「彼が大阪に行っちゃった(が、一定期間後帰ってくる)」ようなニュアンスです。

"That is called integrity. That's called courage. And that's the stuff leaders should be made of. 
「それが誠実さであり、勇気というものだ。そして、リーダーたるものはそういう資質を持っていなくてはいけない」

映画ではこの辺のくだりから胸がジーンとなって止まらなくなるわけですが、「主語 + Be動詞 + called + 呼び名」はよく使うので、これも覚えておきましょう。"He is called Taka." 

さて、この次少し長めのセリフに関してまとめてみていきましょう。非常に良いセリフですね。 

Now, I have come to the crossroads in my life. I always knew what the right path was. Without exception, I knew. But I never took it. You know why? It was too damn hard.
この文頭の "Now" は「今」という意味ではなく、弱めの「さて、ところで」くらい意味で使われています。
「さて、私も今まで人生の岐路に立たされてきたが、いつもどれが正しい道なのかというのはわかっていた。例外なくだ。だが、その道を進めたことがなかった。なぜかわかるか?その道があまりにも困難だったからだ」

"crossroad" 自体は「交差点」という意味ですが、"in my life" を付けることで概念的になっていますね。次の「know what S + V」という構文はたくさん応用が可能で、例えば、

"I know what I should tell my son."
"He knew what the right answer to that question was." 
"She knows what it is like to be an international student." 

などなど、what を why, where, when, how などに変えて同じように文章を作ることもできるので、応用文は無限に作れますね。

あとは、without exception はそのまま決まり文句として覚えておけばいいですね。"damn" は "too hard" の真ん中に入れることでそれを強調しています。damn もそこそこ汚い言葉ですが、goddamn と同じです。もっと汚く言う場合は damn の代わりに fucking を入れればいいわけですが、ちゃんと状況を考えましょう(笑)

今回は個人的に大好きな映画「セント・オブ・ウーマン」からいくつか紹介しましたが、ここまで観てきておわかりのように、セリフをそのまま使うというよりは、その中に含まれる汎用的なフレーズや単語や表現を抽出して自分の引き出しに入れていく作業と、あとは別途スピーキングの練習が必要です。

このスピーチもとても情感豊かなので、アル・パチーノになりきって練習するのは良い練習になると思いますよ。