"Really"がうまく言えない

セルフラーニング英会話

実際の生活上で使えるフレーズや発音、個人練習の方法やコツなどを紹介

映画「セント・オブ・ウーマン」から、アル・パチーノの珠玉のスピーチ

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出典: Yahoo!映画

みなさんご覧になったことがありますでしょうか。アル・パチーノ主演『セント・オブ・ウーマン』(原題: "Scent of a Woman")ですが、個人的には大好きな映画です。盲目の元軍人扮するアル・パチーノが、最後に大学の講堂でスピーチをするシーンがあるのですが、これがもう、鳥肌ものの演技力とそのスピーチの内容に、何度観ても泣きそうになってしまいます。

まだ観たことがないという方は、ぜひ一度じっくり観ていただければと思いますが、今回はこのスピーチの中から日常で使えそうなフレーズをいくつか拾ってみようと思います。ちなみに、このスピーチのシーンがちょうどYouTubeで見つかったので(2017年2月4日現在)、下に貼っておきますね。


1/3 夢の香り・スレード大佐 vs トラスク校長・逆転スピーチ

丁寧に字幕も日本語訳もつけてくれていますので(細かい間違いがところどころありますが)、まずはこちらを観てどういうスピーチか把握してみてください。
※ただし、本編を観てない場合は、アル・パチーノが何に腹を立てているのかあまりわからないとは思います。 

"Watch your language"
「発言(言葉遣い)に気をつけなさい」

大人や教師が子供に対してよく言う言葉で、特に fuck, shit, hell, bitch などの汚い言葉を使った際などに言われる典型的は言葉ですね。

"Speak up"
「大きな声で言う、発言する、率先して意見を述べる」という意味

はっきりと通る声で言ったり、自ら主体的に意見を言うことを指します。このイディオムはかなり頻出なので、ぜひ覚えておいてください。使い方のハードルも低いと思います。

"What the hell is that?"
「一体なんなんだ!?」を強く言った表現です。

この "the hell" 自体には意味がなくて、その文全体の意味を強調するために使われています。ここで元となっているのは、"What is that!?" という疑問文です。

応用編として、かなり汚い言い方で、"What the fuck xxx(疑問文が続く)" という言い方をしたりしますが、自分で言う場合はかなりシチュエーションに気をつけた方が良いとは思います(基本、言わないに越したことはないと思います)。

"Are you finished?" 
「終わった?」という意味です。この受動態の言い方の便利なところは、「何が」終わったのかの「何」という目的語を入れずに使えるところです。例えば他の言い方として、
"Did you finish (it)?" とか "Have you finished (it) ?" とも言えますが、it に当たる目的語の部分に何か入れるわけですが、上記のように "Are you finished?" はそのままでいけます。ただ、意味は基本どれも同じですね。

ちなみに、「まだです」と答える場合は、"No, I'm not" や "I'm not finished yet" などと言えば良いです。

"It's (it is) gone" 
何らかの理由により「"it"が指すものが、なくなってしまった」という意味です。

人を主語にすると、例えば "He is gone (forever/for good)" と言うと、これは彼がいなくなってしまって(亡くなってしまった場合を指すこともあります)もう戻ってこないような響きもしありますが、"He has gone (to 場所)" だと単純にどこかに行ったという意味です。例えば、"He has gone to Osaka." であれば、「彼が大阪に行っちゃった(が、一定期間後帰ってくる)」ようなニュアンスです。

"That is called integrity. That's called courage. And that's the stuff leaders should be made of. 
「それが誠実さであり、勇気というものだ。そして、リーダーたるものはそういう資質を持っていなくてはいけない」

映画ではこの辺のくだりから胸がジーンとなって止まらなくなるわけですが、「主語 + Be動詞 + called + 呼び名」はよく使うので、これも覚えておきましょう。"He is called Taka." 

さて、この次少し長めのセリフに関してまとめてみていきましょう。非常に良いセリフですね。 

Now, I have come to the crossroads in my life. I always knew what the right path was. Without exception, I knew. But I never took it. You know why? It was too damn hard.
この文頭の "Now" は「今」という意味ではなく、弱めの「さて、ところで」くらい意味で使われています。
「さて、私も今まで人生の岐路に立たされてきたが、いつもどれが正しい道なのかというのはわかっていた。例外なくだ。だが、その道を進めたことがなかった。なぜかわかるか?その道があまりにも困難だったからだ」

"crossroad" 自体は「交差点」という意味ですが、"in my life" を付けることで概念的になっていますね。次の「know what S + V」という構文はたくさん応用が可能で、例えば、

"I know what I should tell my son."
"He knew what the right answer to that question was." 
"She knows what it is like to be an international student." 

などなど、what を why, where, when, how などに変えて同じように文章を作ることもできるので、応用文は無限に作れますね。

あとは、without exception はそのまま決まり文句として覚えておけばいいですね。"damn" は "too hard" の真ん中に入れることでそれを強調しています。damn もそこそこ汚い言葉ですが、goddamn と同じです。もっと汚く言う場合は damn の代わりに fucking を入れればいいわけですが、ちゃんと状況を考えましょう(笑)

今回は個人的に大好きな映画「セント・オブ・ウーマン」からいくつか紹介しましたが、ここまで観てきておわかりのように、セリフをそのまま使うというよりは、その中に含まれる汎用的なフレーズや単語や表現を抽出して自分の引き出しに入れていく作業と、あとは別途スピーキングの練習が必要です。

このスピーチもとても情感豊かなので、アル・パチーノになりきって練習するのは良い練習になると思いますよ。

 

"Thank you for the compliment of coming over." って女性が言ったら?

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さて、前回のエントリーでは、映画「最後の恋のはじめ方」の中のバーのシーンを使ってフレーズなどを見ていきましたが、今回はそのシーンの続きを少し見ていきましょう。前回登場した Chip と Sara の会話に、主役の Hitch(ウィル・スミス)が割り込んでくるシーンです。

実際の映画のシーンはこちらのYouTubeを参考にしてください(いつまでここに残っているかはYouTube次第ですが)。


Hitch - a part of movie 2

今回取り上げる会話のスクリプトが下記です。   

Sara: ...but thank you for the compliment of coming over.
こうして声をかけていただいたのに恐縮です。どうもありがとう。

Chip: You are welcome. So, do you like Cuban food?
どういたしまして。で、キューバ料理って好き?

Sara: Chip, seriously, that wasn't the code for "I wish you'd try harder."
......チップ、あのね、今のは「もうちょっと押して」って合図で言ったんじゃないの。

Chip: Are you always so shut down, and afraid, that the right man might make you feel like a natural woman?
君はいつもそんな自分の殻に閉じこもってるの?この人となら自分らしくいれると思わせてくれるような「運命の人」に出会うのを恐れてるの?

Hitch: Sorry I'm late, honey. I couldn't get a cab. So how was the meeting?
ごめんねハニー、タクシーがつかまらなかったんだ。それで、ミーティングはどうだった?

Sara: Oh, well, there was a beginning, a middle, and an end. Nice to meet you, Chip.
そうそう、ミーティングはね、始まりがあって、途中があって、終わりがあったわ。話せてよかったわチップ、じゃあね。

というわけですが、なかなか面白いシーンですよね。

1) Thank you for the compliment of coming over.
compliment というのは「褒め言葉、賛辞・称賛」という意味です。つまり「わざわざ coming over してくれたという称賛」に対して「ありがとう」とお礼を述べているわけえすね。実際、サラはこれを会話の終わりにしようとしました。

2) You are welcome. So, do....
が、チップは引きません(笑)ここで「キューバ料理好き?」とか放り込んでくるあたりかなりおもしろいですよね(笑)ちなみに、以前のエントリーで紹介しましたが、この "food" の発音はマストでおさえてくださいね。

sayreally.hatenablog.com

3) Chip, seriously...
「いや、ホントに....」とサラもすでに引いてます。この "Seriously" という言い方はかなり頻出なので、ぜひWeblioなども駆使して体得していただきたい発音です。Seriously に関しては以前のエントリーでも少し解説しました。

sayreally.hatenablog.com

4) Are you always so shut down, and afraid...?
これはチップがどこかからかコピーしたお決まりの台詞なんでしょうね。なので、最後の部分をヒッチ(ウィル・スミス)が予測して同時に口にできたわけです。ここではぜひ、「make 人 feel 形容詞」と「make 人 feel like 名詞」の2つのパターンを覚えておきましょう。
【例】
形容詞:"Talking to you always makes me feel good about myself."
名詞:"He makes me feel like a stupid person."  

5) Well, there was a beginning...
この切り返しはおもしろいですよね(笑)当然ですが、どんなミーティングでも「最初と途中と終わり」があります(笑)つまり、これはミーティングの話はどうでもよいというか、実質「ほら、おれが来たんだからしょうもないナンパ野郎は退散する時間だぜ?」と言われてるシーンですね。

 

今回のシーンでもサラの感情表現は良いですね、ちょっとびっくりイラっとした様子で真似をしながら繰り返し練習したいですね。ぜひ200回くらいやってみてください!

 

 

 

 

 

 

"So, don't take the following personally." と前置きをしておけば....

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前回のエントリーでも紹介しました、映画「最後の恋のはじめ方」から、もうひとつシーンをとってきたので紹介します。このシーンはたまたまYouTubeにもあったので、これを何度も観て練習に使ってもらえますね。(下に動画を埋め込んでおきます) 

以下が今回注目したいシーンのスクリプトです。

Sara: "Listen Chip. I understand the courage it takes to walk across the room and try to generate a relationship out of thin air. So, don't take the following personally."
サラ:「ちょっと聞いて、チップ。こんな雰囲気の中で唐突にやってきて話しかけるのって大変だ(勇気が必要)ってことはわかるの。だから、次に言うことは個人的にとらないでね」

Chip: "You have fantastic eyes...."
チップ:「とても素敵な瞳だね....」

Sara: "....Thanks. Try to listen. This is no reflection on you, but I'm not just interested."
サラ:....あ、ありがとう。いいから聞いて。あなたがどうってことじゃなくて、単純に今そういうことに興味がないのよ)   


Hitch - a part of movie 2

このシーンを観れば一目瞭然ですが、チップは明らかにKYな変人系ですよね(笑)一方で、サラはかなり早口で喋りますし、話し方や雰囲気も明らかにインテリジェントな空気を出しています。このサラを真似してこのセリフを繰り返し練習するのはとても練習になるので是非やってみてほしいのですが、おさえておきたいフレーズを分解しておきましょう。

"the courage it takes to....." 
to 以下のことのするために必要な courage(勇気)、という意味ですね。これはこのまま応用できて、
"the money it takes to build that house" 
"the time it takes to walk to the restaurant" 
などなど、この構文でいろいろ文章は作れます。

"try to generate a relationship"
こういう文脈で"generate"って使えるのかー、って思いますよね。少なくとも英語の教科書とか参考書には出てこない使い方です。こういうこなれた言い方をたくさんストックしていきたいわけですよね。しかも、発声してみればわかると思いますすが、この文章を早く言おうとすると舌がもつれます(笑)そう簡単には言えないですよ。

"out of thin air"
これは、「唐突に」「どこからともなく」「ないもないところから」みたいな意味で、要するにこのシーンでは別に知り合いでもなく誰かに紹介されてわけでもない初対面の女性に向かっていきなり声をかけることを指しているわけです。

"Don't take the following personally"
これは、"Don't take it personally" というお決まりのフレーズでよく使われます。「それ(itが指すことを)を個人的にとらないでね」という意味です。今回のケースでは、"the folloiwng" (次のこと = これから言うこと)を個人的にとらないでと言ってるわけですね。 

このシーンの後、ウィル・スミス演じる主役のヒッチが登場します。サラとの初対面シーンなのですが、カッコよく登場してカッコよく去っていきます。チップとまさに対照的とも言えるその姿が、サラには強く印象に残ったというシーンになっています。 

このシーンでは、サラが非常に表情豊かに、トーン豊かに、セリフを喋ってくれます。チップに対してちょっとイライラしてる感じとか、この感情豊かなシーンを何度も何度も真似て練習すると(身振り手振りもつけて)とても良い練習になりますよ! 

日本人が戸惑いがちな冠詞・前置詞

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今回は、日本人の多くが頭を悩ませる「冠詞」「前置詞」について見ていこうと思います。

ただ、詳細は関連書籍やウェブ上で調べていただくのが良いと思いますし、このエントリーの目的としては、「細かいことは気にしない!(特に喋るときは)」というスピリットを持ちましょうということなので、ざっくりとは理解しつつも、会話時にあまり気にしすぎると喋れなくなってしまうので、そこはドーンと構えていきましょうというメッセージが大前提としてあります(笑)

真面目な話、これは結構大切なポイントで、冠詞や前置詞だけでなく文法や発音もそうですが、「本番では細いことを気にせず今できるを全力でやって」「終わった後に振り返りながら何ができて何ができなかったかを検証しつつまた自己練習に戻る」というサイクルを回せるかどうかですね。

ということで、一応ざっくりとだけ冠詞・前置詞を説明しますね。これくらいのざっくり感で把握しておいて、あとは会話の中で「感覚をつかんでいく」方がベターだと僕は思います。

冠詞

冠詞とはそもそも、

(1) 不定冠詞「a」「 an」
(2) 定冠詞「the」
(3) 無冠詞(何も付かない)

のことを主に指しますが、基本的なころは中学校英語で習ったとは思います。a と an の違いは、その次にくる単語の文頭が母音かどうかだというのは覚えている方も多いと思います。(例:an ant)

じゃあ a と the の違いはということですが、a は特定のものを指すのではなくて、「ランダムな1つの」ということです。上記の例の an ant といえば、どこかの一匹のアリのことですね。the ant と言う時は、"the and I just found on the floor" とか、ある特定のアリのことを話している場合です。"the ant that bit my finger at the park yesterday" とか、特定のアリのことですね。

また、"the moon" みたいな、基本的に1つしかないもの。月と言えば全員同じ月を見ているので、"the" になるわけですね。"その"月しかあり得ないわけです。"the sun" とか "the world" も同じ要領ですね。

そして、イレギュラーとして、名詞の前に冠詞が付かない無冠詞のケースも見かけると思います。 1つは、カテゴリー丸ごとの話をする場合。例えば、「人ってさ」みたいな時に "People" "Humans (Human beings)" と言ったり、鳥のことを一般論として何か言う場合には "birds are usually...." とか複数形にするわけです。また、Water など数えられないものは複数形にならないので、基本的にそのまま単数形で無冠詞で使います。(が、その限りではなく、"under the water" などのケースもあります)

あとは、概念として語る際に冠詞をつけない場合もあります。例えば、"Work is important." では、Work(仕事)という概念を話しているので、特定の仕事のことを言っているわけではなく、仕事の一般論です。同じように、"Life is beautiful." もLife(人生)という概念を扱っています。

最後に、固有名詞(例:人の名前、場所の名称など)にも冠詞は付かないですよね。

だいたいこんな感じで、まずはざっくり理解つつ、喋りながらこの辺の詳しく勉強したい方は、下記の記事など参照してはいかがでしょうか。とてもよくまとまっていると思います。

toeic-guru.jp

前置詞

さて、次は前置詞です。

前置詞も、僕ら日本人はわりと苦手です。でも、やはりこれもひとつは感覚です。最終的には感覚的に、「あ、ここは at じゃなくて on かな」とか、理屈云々より、感覚的にスッと入ってくるようになるのを待つしかないですし、前置詞もちょっと間違っても通じます。聞いてる側は少し違和感はあるでしょうが、大意は間違いなく通じるので、前置詞を間違ったらかコミュニケーションが取れなかった、なんてことはありえません。

よく日本語を学んでいる外国人の方に、「なぜそこは ”が” で、”を” ではないのか」みたいな助詞などのことを聞かれても、なかなか説明するのは難しいと思います。僕らはそれこそ感覚的にそういう作業をやっているので、何かルールを覚えていてそれに従っているわけではありません。ただ、日本語をイチから学ぶ外国人にとっては、ルールを説明してくれないと自分で使えません。

というわけで、逆も真なわけですから、僕らは感覚的にわかるところまでの道のりは長いので、まずはある程度のルールを把握しておいて、あとは会話を重ねて行く中で、真似をしたり感覚が徐々についてきたりして、済州的にはいい感じになります(笑)

 

【on】
「〜の上に(物理的に)」というのが一般的な用法です。on a tableとか。他によく使うのは、「〜に関して」という意味で、つまり about と同じ意味です。"We talked on the issue."みたいな使い方です。これも覚えましょう。

【in】
まあこれは文字通り「〜の中に」ですね。場所を指して、例えば in Shibuya とかも言いますが、よく聞くのは at Shibuya ではダメなのか、という質問ですが、別にダメではないです。ただ、通常 in の方が広い範囲を指す傾向がある一方、at は例えば at the Shibuya station のように、特定の場所「で」という時に使うのがメインです。in はどちらかというともう少し広く、in Shinjuku とか、in Tokyo とかで使います。「東京では」という時に、at Tokyo と言うのを聞いたとは一度もありません。

【at】
上述のように、ある場所を指す際によく使います。ピンポイントな場所だと覚えておけばいいですね。あとは、at 10 o'clock とか時間にも使います。よく考えると時間もピンポイントですよね。また、at the top of Mt.Fuji や、at the end of April みたいな使い方もよくありますが、「狭い空間」「狭い時間的範囲」を指しているという意味で納得できます。あとは、"He's good at singing."  みたいな使いかもありますね。この場合は「彼は歌 "が" 上手い」という、ある特定の狭いスキルに長けているということなので、理にかなっている気がします。 

【about】
これも上述ですが、on と同様に「〜に関して」という意味が頻出です。あとは、「およそ〜」の意味でも使われます。about 10 years ago とかそんな感じですね。

【with】
これもいろいろ用途がありますね。基本的には「〜と一緒に」という意味ですが、その他によく使われるのが、"I don't have any problem with that."みたいな使い方です。これは「そのことについて何も問題ない」と言ってるわけですが、「一緒に」と言ってるわけではありません。"What's wrong with it?" みたいな使い方もそうですね。これは「〜に関して」というニュアンスですね。

とりあえず基本的なところだけを触れておきましたが、イディオムと一緒になって使うときなど、通常はどの前置詞がセットになるかは決まっています。それを丸ごと覚えるのもひとつですが、かつニュアンスとしてなぜそれが使われているのかを考えるようにしていくと、少しずつ感覚的なものが養われてくると思います。

詳しく学習したい方は、こちらの記事なども参考にしてはいかがでしょうか。

toeic-guru.jp

まとめ

というわけで、今回は冠詞・前置詞を「ざっくり」と見てきました。もちろん詳しく知識として頭に入れておくに越したことはありませんが、でも頭でっかちになってしまうよりは、あまり気にせず間違ってもいいから話す。で、会話の中でネイティブたちがどう冠詞や前置詞を使っているかを注意して聞きながら、徐々に自分もそう言えるようにしていく、という学び方が個人的にはマッチ・ベターだと思っています。

日本人はすぐに完璧主義になる傾向があるので(そういう間違い探しばかりの英語教育を受けているので)、一旦パブリックな空間で(人前で)間違うことへの心理的なハードルをグッと押し下げておく必要があります。間違ってなんぼです。間違いながら、政界との差を認識し、それを真似て行く。間違いを恐る人は本番・実戦を避けて、ひたすら知識武装に走る傾向があります。それは英会話上達の重い足かせになるので要注意ですね。

"We never had any models for a way out." という環境で育つということ

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ロールモデルの不在

これは、ある記事を読んでいたときに目に止まった一文です。今は社会的に成功している人が、十数年ぶりに子供時代を過ごした街を訪れますが、その荒廃ぶりはスラムのよう。そして偶然そこで旧友に出会います。彼は最近麻薬の違法売買で3年半の懲役が決まったと言いました。続けて言ったセリフが印象的です。

"That's all we knew how to do. We never had any models for a way out."
(おれたちは麻薬を売りさばくことくらいしか知らなかったんだ。そんな生活を抜け出すためのお手本になってくれるような人もいなかった) 

「うーん...」となってしまうセリフですね。特にスラム街などの貧困層は、貧困の再生産をしてしまっているという実情があり、そこではロールモデルになるような人もいませんし、教育を受ける環境もないなど、様々な課題が今も根深くありますが、その話をするときりがないので、今回はこの文章から学べることに集中しましょう。

ポイントとなるのは、

- That's all + 主語 + 動詞
- model 
- a way out

あたりでしょうか。
特に、「That's all 主語 動詞」はかなり活用範囲が広いと思うので、ぜひこれはテンプレ化して頭に入れておきましょう。

That's all I want to tell you. 
That's all you need to know. 
That's all he gave her.
That's all they heard about the accident. 
などなど、 いくらでも作れます。これをちょっと変化させて、
That's only a half of what was supposed to be done. 
(それは、完了するはずだったことの半分にすぎなかった = 予定していた半分しか終わらなかった)
とかも言えますので、いろいろアレンジが可能ですね。

また、ここでの"model"とは、ファッションモデルではなくロールモデル(人間としてお手本になる人)のことで、それぞれ通常は"fashion model"、"role model"と何のモデルかも付けて言いますが、文脈上明らかな時は、"model"とだけ言ってもわかってくれます。 

最後に、"a way out"ですが、これは決まり文句で「出口」です。今回のように概念的な出口(脱出方法)という意味でもよく使います。

皮肉ですが、上記のような状況を指して、"There's no easy way out"(そういう状況から簡単に抜け出せる方法はない)とも言えますね....

今回は少しライトめなエントリーでしたが、That's all....のくだりはかなり使えるので、みなさんアレンジして活用してください!

 

 

 

 

 

 

 

She? それとも Sea? /日本人が苦手な発音 #2

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速攻で自己チェックしましょう

 タイトルを読んで「え?どういう意味?」と思った方もいるでしょう。「彼女(She)」と「海(Sea)」どちらも日本語では「シー」と発音しますよね。

ただ、英語ではこれらは決定的に違います。まず、正しい音を聴き比べてみましょう。

これが She です。そしてこれが、Sea です(どちらも「クイック再生」ボタンを押して音声を再生してみてください)。どうでしょう?違いがわかりましたでしょうか?

She は、カタカナ発音の「シー」に非常に近い音です(厳密にはちょっと違いますが、それはここでは割愛)。一方、Sea は、あえてカタカナで表記するなら、「スィ」ですね。スペイン語で、「はい」という意味で「si」という単語がありますが、これも同じ「スィ」と発音します。懐かしの「修二と彰」が歌った「青春アミーゴ」という曲がありますが、二人はちゃんと歌の中で「スィ」と言ってますね、「シー」ではなく。

意外と違い聴き分けれない人が多い

「そんなのいいんじゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、この She と Sea(Seeでも同じ)の違いを区別して発声できないと、これはもう、全然通じない英語になってしまいます。たとえば、よく使う単語で single, serious, singer なども、カタカナ発音では「シングル」「シリアス」「シンガー」です。でもれはすべて「スィ」発音なんですね。ぜひ上のリンクから聞いてみてください。「シ」とは発音してないですよね?

ちなみに、Weblio で何度聞いても違いがわからないという方は、これはもう、ネイティブを誰か捕まえて、交互に発声してもらいましょう。上述の単語の話をすればすぐに意図は伝わると思うので、ゆっくり言い分けてくれると思いますが、10回20回聞いてもまったく同じに聞こえてしまって違いがわからないという方は、うーん、これは結構大変です。

というのも、今後のエントリーで紹介していきますが、今回の「シ」と「スィ」の違いのように、「聞き分けないといけない & 言い分けないといけない」音が英語には結構ありまして、これがなんとか最低限できないと(完璧なくても全然いい)、なかなか相手に伝わる英語を話すのは難しくなります。

これは想像ですが、もう耳も下も固まってしまってきている40代50代くらいから英会話を始めた方は、この辺が結構大きな壁として立ちはだかってくる可能性はあると思います。逆に、若い方は一旦慣れればあとはまったく問題にならないことでもあると思いますが、いずれにしろ一旦自分が聞き分けることができて、かつ発声し分けることができるかはチャックしてみてください。

Serious は文字数以上に難しい

Serious という単語は、「シリアス」とカタカナ日本語にもなって定着している身近な単語ですが、このたった7文字で構成される単語の発音が、意外なほどに難しいです。これは、上述の「スィ」発音と、「R」と使った「rious」という音をつなげて発声するのが日本人にはなかなか手強いからです。Weblio で何度も聞きながら練習していただければと思いますが、なかなか大変だと思います。

さらに、もうひとつ難易度を上げるのであれば、これを副詞にして、「Seriously」を練習すると良いと思います。これも頻出単語で、「え、マジで!?」というニュアンスで、「Seriously?」とよく言います。これは上記の難しさに、「ly」という「L」の音(これも日本人は苦手です)が最後に加わるので、実際に言ってみればわかると思いますが、なかなかどうしてというやつです。 

まとめ

今回紹介した She と Sea のような、日本語にはない音の違いや使い分けというのは、どうしても越えていかないといけない壁です。今後もこういう発音をいくつか紹介していこうと思いますが、最初からすぐにできなくても気にしないでください。時間と練習量に比例して、個人差こそあれ、ほとんどの方はちゃんと少しずつ上達していきます。

10回20回やってみてできないからといって諦めたりしないでくださいね。まずは100回以上 やってみて、できない場合は何ができていないのかを確認してもらうためにネイティブか、それがちゃんとできている日本人に聞いてみれると良いと思います。ただ、ちゃんとその前に自己練習してみてくださいね。

 

  

動画サービスを使い倒す英会話練習方法

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動画サービスを教材にしない手はない

以前のエントリーでもちょっと触れましたが、ひと昔前までと違って、今はわざわざVHSやDVDで映画やドラマをレンタルビデオ屋から借りてこなくても、下の動画サービスに1つでいいから加入しておくと、ほぼ無限と言える量の英語教材が手に入る時代です。

Netflix(ネットフリックス) 

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Amazonプライムビデオ

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Hulu(フールー)

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現在英会話を真剣に勉強している方で、まだこれらのサービスを1つも使ったことがないという方は、ぜひどれか1つ'ASAP'(超頻出単語なので、この略語の意味を知らない方は必ず調べてください)で使い始めることを推奨します。

ポイントは個人練習時間の確保

これは実際に自分がアメリカに留学していた時にやり始め、帰国後もずっとやってきている練習方法なのですが、とても効果があります。しかも、「ひとりで」できるのがポイントです。

先に重要なポイントから伝えておくと、高校生以上の人にとって英語(特に会話力)は、ネイティブとなんとなく話しているだけだったり、リスニング教材などをただ聞き流しているだけの学習では、ほとんど上達しません。

それらに意味がないと言っているわけではなく、「それだけでは不十分」という意味です。例えば英会話レッスンを週に一度1時間受けている人なら、前回のレッスンから次回のレッスンまでの間に、単に与えられた宿題をちょっとやるくらいだと、レッスンとレッスンの間に英語が上達することはまずありません。

とはいえ、みなさん日々忙しいので、特に社会人で仕事の忙しい時間の合間にがんばって英会話をやっている方ほど、レッスンとレッスンの間に個人練習をする時間もなければ方法も知らない、単に前回やったテキストを眺めて復習するだけ、みたいな人が多い気がします。

これは個人的な感覚ですが、週1でレッスンを受けるのであれば、レッスンとレッスンの間に*最低*5-6時間は個人練習に費やすくらいの投資が必要でしょう。ただ、ここでいう個人練習は、TOEICやTOEFLの参考書をやったり、ひたすらイディオムや単語本をめくって暗記しようとしたりするような従来の勉強ではなく、ほぼ100%「発声練習」をメインにします。つまり、5,6時間以上の個人「発声練習」が必要だという意味です。

ちなみに、そもそも基本的な文法が全然抜け落ちている、中学英語がほとんど理解できていない、という基礎知識を欠いているという方は、一度その辺も中学英語の参考書や高校受験のための参考書などでカバーした方が良いとは思いますが、そういう勉強から始めようとすると大抵挫折してしまうだろうなと思うので、ここは思い切って会話の練習から入ってみることをオススメします。

この後詳述しますが、僕の練習方法では、映画やドラマのセリフを毎回書き取っていくので、そこでついでに文法や構文の勉強も兼ねてやることはできます。きっと会話と合わせて勉強していく方が効率もよく、楽しくやれると思いますよ。

英語字幕は大切

さて、その具体的な方法ですが、上記の動画サービス内にはドラマも映画も無数にあります。すべての映画には日本語字幕はついていますが、中にはちゃんと「英語字幕」もついているものがあります。それを英語教材として使いましょう。

どうして英語字幕が大切なの?と思うかもしれませんが、これはまさに「正解を知るため」です。特に最初はセリフを英語で正確に聞き取ることができないわけですから、日本語字幕だけ見ていても意味はわかりますがセリフそのものを英語で知ることができません。

まずはこの英語を知り、理解する必要があります。それを見て確認することで、その単語が実際にどういうふうに発音されているのかを理解し、文字と音を脳の中でリンクさせておく必要があります。

日本人はカタカナ発音しか学ばないので、例えば Theory という単語を「セオリー」という音で覚えています。でも、実際は「セオリー」なんて発音はされないわけです。これを聞いてみてください(クイック再生ボタンを押して聞いてください)。 わかりますよね?Theory という単語と、この音を脳の中で一旦つなげておかないと、この発音だけ聞いてもTheory という言葉が浮かばないわけです。とても重要な作業です。(ただ、Theoryはまだ比較的わかりやすい発音です)

なので、一旦字幕を使って単語の正確な発音を脳に入れていく作業を丁寧にしていきましょう。そして、発音の仕方がわからない単語は、上記のリンク先でもある「Weblio」を使って気が済むまで繰り返し聞いてみてください。

映画やドラマの使い方

まず、ドラマや映画を選ぶわけですが、①「英語字幕が付いていること」、 ②「日常会話が多いものを選ぶ」の2点を重要視してください。あまりオススメできないのは、「24」などの刑事ドラマや宇宙・アクション系、常に医療現場なもの、です。これらは日常的に使う会話のシーンが少ないため、なかなか良いシーンが出てこないと思います。

逆に使いやすいのは、コメディドラマや恋愛もので、日常シーンが多いものです。そういうものをまずはひとつ選びます。

その後、シーンを2-3分くらいで短く区切って、1シーンずつ丁寧に練習していきます。各シーンは上述のように字幕でしっかり意味と構文を最初に理解し、できればWordやメモ帳アプリなどにセリフごと書き取っておくことをオススメします(後から独り言で個人練習する際にカンペとしていつでも見れるので、理想としてはスマホで見れるようにしておくのが良いです)

そして、まずは動画は止めておいて、そのシーンのセリフを自分で呟きます。字幕を読まなくても言えるようになるまで、最低50回くらいは発声してみてください。その際、細かい発音にこだわりすぎずに、どちらかといえば俳優のイントネーションや感情の入れ方(トーン)に気をつけて真似して発声してください。

それが終わったら、今度はそのシーンを再生しながら俳優が喋るのと合わせて発声してみます。10–20回くらいやってみても、なかなか簡単にはいかないでしょう。それで当然です。ただ、自分は何がうまくできてないのかを認識し、その単語やフレーズなど集中的に練習します。かつ、それをメモっておいて、ネイティブと次回話す際にそこがどうしてもうまくできないことを相談し、アドバイスをもらいましょう。

こうやって丁寧に練習していると、2–3分くらいの短いシーンでも、数日かけてトータル5-6時間くらいはかるく練習できます。個人練習自体はドラマや映画を観なくてもできるので、通勤(通学)や帰路、昼休みや放課後、帰宅後や風呂の中、寝る前など、言葉を発することができる時間にいつでもボソボソつぶやけます。そういう積み重ねが、実はあとですごく効いてきます。

自分の場合、大学院の行き帰りでかなり独り言を呟いて練習していたので、よく携帯電話を耳に当てながら(誰かと話しているふりをして)練習していました。さすがに道を歩きながらずっと独り言をいっていると不審者扱いされるので(笑)、カモフラージュするために携帯電話を耳に当てていたわけですが、不思議なことに携帯を耳に当てると本当に誰かと話しているような気になるので、独り言なのに自分自身も錯覚するくらい集中できます。不思議ですが、本当なので、ぜひ試してみてください。

実際の映画のシーンを使った練習方法に関しては、当ブログの下のエントリーも参考してみてください。(映画やドラマのワンシーンを使ってポイントをおさえていくエントリーは今後も増やしていきます)

sayreally.hatenablog.com

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尚、基本的なアルファベットの発音や発音記号などを確認するには、「フォニックス教授と英語発音教室」というサイトも結構オススメです。

まとめ

というわけで、今回は動画ストリーミングサービスを利用した、ひとりでやれる英会話の練習方法を紹介しました。

もちろん、このとおりやらないといけないわけではなくて、ご自身のやりやすいやり方でアレンジしていけば良いかと思いますが、ここで大切なのは、方法はどうであれば、個人練習の量をとにかく確保するということです。そして、そうするためには、日常生活にいかに無理がないように組み込むかというのが、社会人の人たちにはとってはポイントになります。

毎日忙しい中、夜にがんばって机に向かって勉強しようとしてもなかなか続かないと思います。だからこそ、「ながら練習」を生活に組み込んで量を稼いでいくしかありません。多くの人にとって仕事から帰宅した後に毎夜ランニングに出かけるのはかなり大変だと思いますが、通勤経路のエスカレーターを階段にするとか、昼休みにちょっと遠くまで歩いてランチに行くとか、デスクで少し空気椅子をするとか、そういうちょっとした工夫の積み重ねでランニングと同じくらいのカロリーを消費させようとする方が無理がないですし続きますよね。それと同じだと思ってください。

スピーキング力は、リアルに発声の量に比例して上達します。そこは正直に結果に現れます。だからこそ、長く続けられる自分に合った方法を構築していくことが望ましいわけですが、できるだけ追加での負荷が少ない形で日常生活に組み込んでいくことが鍵になると思います。